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近年はUV塗料の注目度も高まってきていますが、自動車補修塗料現場では今でも溶剤系の塗料が大半であり、硬化には主に赤外線ヒーターが使用されています。
殆どの方はすでにご存じだと思いますが、UV硬化塗料は赤外線ヒーターでは硬化させることができません。勿論、UV LED照射器で溶剤塗料を硬化させることもできません。
理由は、塗料自体の硬化プロセスが異なるからです。
溶剤塗料とUV塗料、それぞれの硬化プロセス
ごく単純化した説明ですが、従来型の溶剤塗料の多くは、赤外線のエネルギーで対象物に熱を加えて溶剤の揮発を促進し、塗膜を硬化させます。(樹脂によって反応と硬化の仕方は異なり、硬化剤を混ぜれて反応させる塗料、熱で溶かした塗料を冷やして固める塗料などもあります。)
一方、UV塗料の硬化プロセスにおいては、熱ではなく光の持つエネルギーで塗膜を硬化させます。塗料中の開始剤(反応剤)が紫外線を吸収して樹脂の反応を促し、高分子化させ、固化します。
このような特性の違いが、UV塗料には従来型の溶剤塗料にはない多くのメリットを生み出しています。
UV塗料のメリット1:ずば抜けた時間短縮効果
溶剤型塗料は、準備や予備乾燥等も含めれば1時間以上かかることも一般的です。
一方でUV硬化塗料は数十秒から数分程度で硬化し、予備乾燥等も必要ありません。
さらに、LEDであればスタートボタンを押せば一瞬で100%の出力となりますので、赤外線ヒーターのように温度が十分に上がりきるのを待つ必要もありません。
納期短縮による顧客満足度の向上や作業台数の増加が可能なのは勿論、労働時間短縮・残業削減といった社会的要請にも適合します。
UV塗料のメリット2:トータルコストが安い
LEDは消費電力が小さく、さらにUV塗料は硬化に必要な時間が短いため、相乗効果でエネルギーコストが大幅に小さくなります。
さらに、ライトの寿命が数万時間と長く、赤外線ヒーターのバルブ(平均的な寿命は5,000~8,000時間程度)の数倍の長さがあります。これによりライトの交換なしで数十年使用可能なため、消耗品コストも抑えられます。
UV塗料のメリット3:環境や作業者の健康にやさしい
UV硬化塗料は一般的に無溶剤もしくは低溶剤で、VOC(揮発性有機化合物)の排出量が非常に少なくなっています。
そのため、環境や作業者の健康へのダメージを抑えることができ、企業イメージアップや従業員の定着にも貢献します。
まとめ
まとめますと、UV硬化技術の代表的なメリットは以下の通りです。
- ずば抜けた時間短縮効果
- トータルコストが低い
- 作業者の健康にやさしい
他にも、「揮発させない=ヤセ・縮みが殆どない」「加熱工程が不要なため、熱耐性の低い素材にも使いやすい」などの特徴があります。(但し、加熱不要ではありますが、場合によっては反応熱が発生するので、施工時は十分に注意してください)
UV硬化技術はまだ発展途上であり、現在は使用できる塗料が限られていますが、従来の溶剤塗料にはないメリットを持つ魅力的な技術です。
まだUV塗料を使ったことがない方は、是非一度、圧倒的な早さと利便性を体験してください。
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