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ここ数年でUVパテがいくつも発売され、品質も向上しています。
既に導入された方も多いでしょうが、一方で周囲に導入工場や取扱店がないために「UVパテって本当に”使える”の?」とご不安をお持ちの方もおられるかもしれません。
UVパテをはじめとするUV硬化塗料は素晴らしい技術ですが、正しい施工方法に基づいて施工しなければ、その品質を活かすことはできません。
そこで今回はUVパテ施工時のコツと注意点をご紹介したいと思います。
その①・まずは良く練る
溶剤パテとは異なり硬化剤を混ぜる必要が無いのがUVパテの特徴であり利点ですが、パテから空気(気泡)を抜くためにも、まずは定盤(パテ練りボード)の上でよく練ってください。
勿論、できるだけ直射日光等の紫外線の当たらない場所で作業することが大事です。
また、製品によっては、タルク(滑石)が分離・沈殿しやすいものもあります。そのような製品を使われる場合は必ず使用前によく攪拌し、万が一ハードケーキング(沈殿した成分が固まってしまい攪拌ができない)状態になっている場合は、品質のためにも使用を控える事がお勧めです。
その②・脱脂後はしっかりよく乾かす
施工前の脱脂には様々なものが使われていると思いますが、特に飛びの遅いシリコンオフを使う場合は、必ずしっかりと乾かして(溶剤を揮発させて)から施工して下さい。
UVパテは一瞬で硬化してしまうため、施工面に万が一溶剤成分が残っている場合、対象物とUVパテの隙間に溶剤が閉じ込められることとなり、はがれなどのトラブルに繋がります。
その③・何より大事な”しごき付け”
溶剤パテでも一緒ですが、まずは少量を鋼板に塗り込むように”しごき付け”して下さい。この時のヘラは立て気味にし、力を加えるようにします。
しごき付けをしないと、足付けした対象面や塗膜のペーパー目の中にパテが入り込まず、隙間が出来、密着不良やはがれなどのトラブルが発生します。
その④・一度に厚盛りせず、「薄めに付けて、硬化」を繰り返す
UVパテの中には最大硬化厚の厚さを特徴とする商品もありますが、仕上がり品質のことを考えれば厚盛りはお勧めしません。ある程度の薄さで付けて硬化し、必要に応じて再度パテを盛ることをおすすめします。
理由は3つあります。
1つは、もし何らかの理由(例えば、照射機のトラブル、照射距離が遠かった、照射作業が途中で中断された、広い面積で照射にムラがあった等)で奥のほうが硬化しきらなかった場合、そのまま硬化しない状態(中膿した状態)で残ってしまうというトラブルを避けること。
2つめは、UVパテは硬化後の表面に「タック(ねばつき)」が残るため、サンディングせずにしっかりと重ね付けが出来ることと、またヤセが殆どないためきっちりと面出しすることで後工程の作業を短縮できるという特徴を持っていることです。
そして3つめですが、パテは硬化時に反応熱が発生します。一度に硬化させるパテの量が多い(厚い)と100℃近くまで熱が上昇することもあり、高張力鋼板に影響を与えてしまう可能性があります。
その⑤・硬化前にきちんと面出し
UVパテは溶剤パテのように成分が揮発するわけではないので、ヤセが殆どありません。そのため、硬化前にきっちりと面出ししておくことで、硬化後のサンディングを短縮できます。
溶剤のパテであればヤセを見込んで多めに盛っていたかと思いますが、UVの場合は必要なだけ盛ってサンディングを減らすのがスタンダードな施工方法です。パテ付け作業の最後に施工部分を定規やメタルスプレッダー等でスーッと撫で、余分なUVパテを取り除くことができ、作業時間と液剤廃棄を減らすことができます。
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